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解釈で戦うH歴元年問題

H歴元年問題をご存知でしょうか。

ヒプノシスマイクコミカライズbefore the battle(いわゆるTDD編)第1話~第2話において浮上した疑問を私はそう読んでいる。

簡単に言うと、中王区による改革はいつ起こった?という問題だ。

といっても、コミカライズを読んでない方には訳がわからないと思うので、簡単に説明しよう。まずは各話の情報をご覧いただきたい。

 

【コミカライズ第1話】

山田一郎(17) 碧棺左馬刻(23) 碧棺合歓(16)

乙統女様率いる言の葉党によるクーデターが起こる

【第2話】

山田一郎(?) 碧棺左馬刻(23) 碧棺合歓(17) 波羅夷空却(17)

一郎「世界から武器を使った戦争はこの1年でほとんど根絶された」

 

色を付けてもう一度。

 

【第1話】

山田一郎(17) 碧棺左馬刻(23) 碧棺合歓(16)

乙統女様率いる言の葉党によるクーデターが起こる

【第2話】

山田一郎(?) 碧棺左馬刻(23) 碧棺合歓(17) 波羅夷空却(17)

一郎「世界から武器を使った戦争はこの1年でほとんど根絶された」

 

おわかりいただけただろうか…(CV中村〇洋)

クーデターから1年後の世界を示すような一郎の語りとは裏腹に、左馬刻が歳を取っていないのだ。一郎と同い年の空却が第2話時点で17歳というのも同じ現象である。

また、1年経過したにも関わらず、第2話の元号は「H歴1年」。

令和への転換を経験した我々はよく知っているだろう。平成31年と令和元年は同じ年、1年経ったなら令和2年が始まっているはずなのである。

クーデターが起こってから世界が変わるまでの1年間は、幻に限りなく近い。これがH歴元年問題である。

 

この問題を何とか矛盾なく乗り越えるには、以下の2つに説明を付けることが必要だ。

➀1年経過しているのに年を取っていないこと

②1年経過しているのにH歴元年であること

 

➀については、キャラクターたちの誕生日の隙間を縫っていくことでギリギリ解決が可能である。

ただし年齢考察に当たってはいくつか前提条件を説明しておかなければならないのでまずはそこから。

コミカライズ1話では二郎、三郎、寂雷、乱数の年齢も明示されているが、今回は2つの理由から彼らの誕生日・年齢を無視して考察することとする。

1つめの理由は、第2話以降の年齢が不明であること。第2話までに彼らが年を取ったのかどうかがわからないため、時系列に矛盾が生じているかの判断がつかない。

2つめは、学年(年度)の概念が曖昧であること。こちらの理由は少し複雑だ。

わかりやすいところで、山田二郎留年説について考えてみる。12月生まれの三郎が中三14歳(=誕生日を迎えていない状態)なのに、2月生まれの二郎は高二17歳(=誕生日を迎えている)というアレだ。

これは「H歴の学校が4月始まりである」ことを前提としているからこそ起きる矛盾だ。例えば年度が1月始まりであれば、早生まれという概念もなくなり、二郎は順当に年を重ねていると考えられるだろう。

このように、この世界での学年の概念が定まらないままでは、年の差の概念もあやふやにならざるを得ない。よって、現段階では学年や年齢差を意識して時系列を考察することは不可能と考えた。それこそ、学生でないキャラ同士が厳密に何歳差であるかなんて意識するだけ無駄である。

各所で同い年と言われる一郎空却合歓の3人についても、第2話以降で学生描写はなく、学年で年齢を判別しているかは定かでない。実際は学年が違ったとしても、出会ったその時にたまたま年齢が同じだったから「俺たち同い年じゃん」となった可能性も大いにあると思われた。「同い年」と言っているだけで、「同学年」とは誰も言っていないのだ。

とはいえ、「同い年」と明言されている以上、年齢が重なる時期が存在するはずだ。よって、この3人の年齢については考察の余地ありと判断した。そこに1,2話両方で年齢が明示されている左馬刻を加えて、今回の考察を進めていきたい。

 

前提条件終わり。

というわけで、まずは一郎、空却、左馬刻、合歓の誕生日のおさらいから。

一郎:7/26

空却:8/21

左馬刻:11/11

合歓:不明(8月末現在) 

合歓に関しては誕生日が不明だが、逆にこれのおかげで考察の幅を広げることができる。

第2話の中で、合歓は17歳の誕生日を迎えている。つまり、第2話=合歓B.Dである。矛盾なく物語が進むかどうかは合歓の誕生日次第なのだ。

コミカライズ3巻より合歓と一郎は同い年。クーデター発生時には一郎の方が年上のため、合歓の誕生は一郎より後と解釈できる。(仮に一郎を西暦2000年7月26日生まれとすると、合歓は2000年7月27日~2001年7月25日の間に生まれることになる。先ほどの前提条件より、一日でも同じ年齢の時期があれば同い年と認定。)

 

これを踏まえて、もう一度時系列を考えたい。

まず、一郎が既に17歳になっていることから、クーデターが起こったのは7月26日以降だ。

また一郎の語りより、第2話ではクーデターから1年近くの時が流れていることがわかるが、7月~10月にクーデターが起きた場合、3か月やそこらで左馬刻(11月生まれ)が24歳になってしまう。一郎の発言を守るためにも、11月12日以降にクーデターが起こったと考えたほうが無難だろう。

 

なお、第2話時点で空却(8/21生まれ)は17歳であるから、第2話は8月21日以降。さらに、第2話までに一郎が18歳になってしまうと合歓との同い年期間が消滅するため、7月26日までに第2話での合歓BDイベントをこなさなければならない。

以上を組み合わせると、第1話(クーデター)と第2話(合歓B.D)はどちらも「11月12日から翌年7月25日の間の任意の時期である」と解釈できるだろう。

 

続いて②だが、これは2つの解決案がある。

まず、ヒプノシスマイクの元号システムが我々の世界と異なる場合。

こうなってしまえば最強である。例えば元年と1年は別のものであるとか(元年=0年)、矛盾が生まれないようにルールを作ってしまえばよい。

しかし、「元年」という単語の意味そのものがこの世界では違うんですよ、と言われて、あらそうなのと納得する気にもなれないだろう。

そこで個人的にはもう一つの説、クーデターが起こってすぐ元号が変わったわけではない可能性を支持したい。

革命による元号変更であるから、必ずしも革命当日からH歴である必要はない。令和改元のように、切りのいい日付から新元号を始めればよい。

そう考えれば、クーデターから1年経ってもH歴元年が続く可能性を認めることができる。

 

長い考察だったが、これらの検討から、まだ物語にギリギリ整合性を見出すことができることがわかった。

一郎の「この1年」という語りを成立させるためには、なるべく1話と2話で期間が開いているほうが望ましい。11月下旬クーデター発生→翌年1月H歴元年スタート→6月末に合歓B.Dぐらいがベストではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

と考えていたのだが…

 

2020年9月2日、ヒプマイ3周年に伴ってキャラクターのプロフィールが大きく更新された。

そこで私が目にしたものとは…

 

 

 

 

 

 

 

 

_人人人人人人人人人人人人人人_
> 碧棺合歓、8月1日生まれ <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\(^o^)/オワタ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1話→7月26日以降

第2話→8月1日

これが公式の解答らしい。

 

 

いや一週間じゃん!!!

一週間で世界は変わっていた。なんてこった。そりゃ元号も変わらんわ…

もはや一郎の「この1年」という台詞は消滅したと考えて良いだろう。例えこれが翌年の8月1日だとしても、その場合一郎と合歓が同い年でなくなるため、やはり矛盾が生じるのである。

あるいはH歴の7月は100日ぐらいまであるのかもしれない。それでも1年には程遠いけど。

そして8/1時点で空却が17歳ということは、いよいよ私の同い年の概念ふわっとしてる説が立証されてしまったな。一郎が17歳になった1か月後にはもう空却18歳だぜ。

 

ここまで何とかかんとか矛盾を避けるべく解釈をこねくり回して戦ってきたが、ついに公式の横暴に敗北してしまった。無念。3000字以上無駄な考察を繰り広げた結果がこれである。オチだけでよかったんじゃないかこの文章。

そしてここで驚きの情報。

先日発売されたオフィシャルガイドブックにはストーリーの流れを年表で振り返るページが存在するらしい。

今回のH歴元年問題以外にも一郎オオサカ初めて問題や寂雷のスキル発現問題など数々の不安を抱えるヒプノシス時系列だが、果たして一体どんな年表に仕上がるのか…

お手並み拝見といこうじゃないか。

来週買いに行きます。